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警備員は派遣社員ではできない?禁止されている理由を解説!

投稿日時:2025年6月2日

警備員として働く場合、派遣社員という選択肢がないことをご存知でしょうか。

 

実は警備業務は法律で派遣が明確に禁止されている職種の1つです。

 

これには安全の確保や責任の所在を明確にするという重要な理由があります。

 

この記事では、なぜ警備員が派遣社員として働けないのか、その法的背景や他の派遣禁止業務との共通点、そして警備業界での「派遣」という言葉の使われ方について詳しく解説していきます。

 

警備員にはアルバイトはあるが「派遣社員」として働くことはできない

警備員として働く場合、警備会社に直接雇用される形態が一般的です。

 

多くの職種では派遣社員という働き方が選択肢としてありますが、警備業務においては派遣社員として働くことができません。

 

これは法律によって明確に禁止されているためです。

 

警備の仕事を希望する場合は、警備会社と直接雇用契約を結ぶ必要があります。

 

正社員だけでなくアルバイトやパートタイムといった雇用形態は存在しますが、派遣会社を介した間接雇用は認められていないのです。

 

この特殊な雇用制限は、警備業務の特性と社会的責任に基づいています。

 

警備業務は派遣が禁止されている職種の1つ

警備業務が派遣禁止とされている背景には、労働者派遣法の規定があります。

 

この法律では、特定の業務について派遣労働者を使用することを明確に禁止しているのです。

 

警備業務はその代表的な例の1つとなっています。

 

警備業は安全や秩序維持に直結する重要な業務であり、専門的な訓練と責任感が求められます。

 

そのため、直接雇用によって警備会社が責任を持って管理・監督する体制が必要です。

 

派遣社員では責任の所在が不明確になるリスクがあるため、法律で規制されています。

 

これにより、警備サービスの質と安全性が担保されています。

 

派遣が禁止されている業務一覧とその理由

日本の労働者派遣法では、一部の業務において労働者派遣が明確に禁止されているのが現状です。

 

これらの禁止業務は、業務の性質や専門性、安全性の確保、既存の法制度との整合性などを考慮して定められています。

 

派遣禁止の対象となる業務に含まれているのは、警備業務をはじめ、港湾運送業務、医療関連業務、士業、建設業務などです。

 

それぞれの業務が派遣禁止とされている背景には、労働者の安定した雇用環境の確保や、業務の適正な遂行を保証するための重要な理由があります。

 

警備業務

警備業務は、警備業法によって定められた1号警備から4号警備に分類される業務の総称です。

 

これには、施設警備(1号警備)、輸送警備(2号警備)、雑踏警備(3号警備)、身辺警護(4号警備)が含まれます。

 

警備業務では、警備会社が警備員に対して直接指示を出す必要があります。

 

一方、派遣契約の場合、派遣された労働者は派遣先企業の指揮命令を受けて業務を遂行するのが一般的です。

 

このため、警備業務において派遣契約を適用すると、指揮命令権が不明確になり、業務の統制が取れなくなる可能性が高いです。

 

また、警備業務は、施設や人々の安全を守るために高度な専門性と責任が求められます。

 

派遣という形態では、警備員の適性や教育体制が十分に管理できない可能性があり、安全確保の観点からも問題が生じる恐れがあります。

 

これらの理由から、警備業務は派遣が禁止されている業務の1つとなっているのです。

 

港湾運送業務

港湾運送業務は、港湾内で貨物の荷役や運搬を行う業務のことです。

 

この業務は、港湾の利用状況や貨物の輸送量によって大きく変動し、安定的な労働力の確保が求められます。

 

そのため、日本では「港湾労働者派遣制度」という独自の制度が設けられています。

 

この制度は、労働者派遣法が施行される以前から存在しており、港湾業務に特化した派遣の仕組みが整えられている制度です。

 

その結果、港湾運送業務については、労働者派遣法による一般的な派遣契約ではなく、特別な制度の下で労働者を確保することが求められているのです。

 

また、港湾は国際物流の要所であり、安全管理や作業の統制が厳しく求められる業務でもあります。

 

派遣という形態では、労働者の確保や教育が適切に行えず、作業の効率性や安全性に悪影響を及ぼす可能性があるため、派遣が禁止されています。

 

医療関連業務

医療関連業務とは、医師、看護師、薬剤師、歯科医、助産師などの医療従事者が行う業務です。

 

これらの業務は、患者の生命や健康に直接関わるため、高度な専門性と責任が求められます。

 

医療業務は、基本的にチーム医療として運営されるため、現場の医師や看護師同士の連携が重要です。

 

しかし、派遣契約では、労働者が派遣会社の指示を受けながら働くことになるため、医療チームの一員として適切に機能しない可能性が高いです。

 

その結果、患者への対応が遅れたり、医療事故のリスクが高まったりすることが懸念されます。

 

ただし、一部の例外として、産休・育休中の職員の代替業務や、へき地など特定の条件下での医師派遣は認められています。

 

これらの例外を除き、原則として医療関連業務は派遣が禁止されています。

 

士業

士業とは、弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、司法書士など、特定の資格を持つ専門職のことです。

 

これらの業務は、依頼者の法律・税務・会計に関する問題を扱い、高度な専門知識と倫理観が求められるため、派遣労働が認められていません。

 

士業の特徴として、業務の独立性が求められる点が挙げられます。

 

たとえば、弁護士は依頼者の利益を最優先に考えて業務を行う必要があり、他者の指示に従うべきではありません。

 

しかし、派遣契約では、派遣先の指示を受けて業務を行うことが前提となるため、士業の本質と矛盾してしまいます。

 

また、士業は資格を持つ個人が独自に判断して業務を遂行するものであり、労働者派遣契約に適した職種ではないため、法律によって派遣が禁止されています。

 

建設業務

建設業務も、派遣が禁止されている業務の1つです。

 

建設業務は、建築物やインフラの施工を行う業務であり、専門技術と安全管理が求められます。

 

建設業では、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」により、雇用主と指揮命令権を持つ者が同一でなければならないと定められています。

 

しかし、派遣契約では、雇用主は派遣会社であり、指揮命令権を持つのは派遣先企業となるため、この規定に反してしまうのです。

 

また、建設現場では、安全管理が非常に重要です。

 

派遣労働者の場合、短期間の勤務が多く、建設現場の安全ルールや作業手順に十分に慣れる前に現場を離れるケースがあり、事故のリスクが高まる可能性があります。

 

このような事情から、建設業務における派遣は禁止されているのです。

 

ただし、設計や施工管理などの業務については、例外的に派遣が認められる場合もあります。

 

現場作業そのものではなく、技術支援や管理業務に従事する場合は、派遣が可能とされることもあるでしょう。

 

禁止されている業務を派遣した場合の罰則

警備業務などの派遣禁止業務において違反行為があった場合、厳しい罰則が設けられています。

 

警備員を派遣した会社(警備会社)に対しては、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という刑事罰が科されることになるでしょう。

 

この罰則は労働者派遣法に明記されており、法的拘束力を持っています。

 

また、派遣先の企業に対しても、労働局から是正勧告が出されるため、双方の会社が法的リスクを負うことになるでしょう。

 

このように、派遣禁止業務への違反は単なる行政指導で済むものではなく、刑事責任を問われる重大な違法行為です。

 

「派遣」という言葉が別の意味で使われるケースもある

警備業界では「派遣」という言葉が法律上の定義とは異なる意味で使用されることがあります。

 

警備業務は派遣禁止でありながらも、業務の再委託は合法的に行われています。

 

警備会社が別の企業から警備業務を請け負い、現場に警備員を配置することを「派遣する」と表現する場合があるのです。

 

これは労働者派遣法における「派遣」ではなく、業務委託契約に基づく人員配置を指しています。

 

求人情報などで「警備員派遣」という言葉を見かけた場合は、法的に禁止されている派遣ではなく、このような業務委託を意味している可能性が高いため、言葉の使われ方に注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

警備員は派遣社員として働くことが法律で禁止されており、警備会社との直接雇用が必要です。

 

これは警備業務の特性と社会的責任に基づいた規定であり、安全性の確保や責任の所在を明確にするために設けられています。

 

警備業務以外にも、港湾運送業務や医療関連業務、士業、建設業務なども派遣が禁止されており、それぞれ専門性や安全管理の観点から制限が設けられているのです。

 

違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金という厳しい罰則があります。

 

なお、「警備員派遣」という表現を見かけることがありますが、これは業務委託契約に基づく人員配置を指していることが多く、法的な「派遣」とは異なる意味で使われていることに注意が必要でしょう。

 

弊社は、2008年(平成20年)の警備業認定取得以来、地域の安心・安全を守る基幹産業として人的警備サービスを提供し続けてきました。

 

豊富な経験と専門知識を持つ弊社で警備員としてのキャリアを築き上げていきましょう。

 

  

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